起業と発展 ~医療ニーズへの浸透~

「あ・うんの呼吸」を必要とする医療現場で、榊原 仟先生に学んだ現場コーディネートの手腕を発揮。

昭和52年11月(1977年)財団法人日本心臓血圧研究振興会の附属臨床研究施設として榊原記念病院が開設、診療を開始。(開院式典会場にて榊原 仟先生と共に)

1980年2月、森は渋谷区代々木に資本金700万円で株式会社エムシーを設立します。

創業の数年前より、日本列島改造論の流れの中で医科大学が旭川から沖縄まで全国で40ほど新設された時代、新設された各大学より心臓外科の名医として知られる榊原 仟先生のもとへ教授派遣の依頼が多く寄せられました。

榊原 仟先生に学ぶ助教授・講師が全国に派遣され、榊原チーム医療の一員であった医療機器エンジニアの森にも、数多くの協力要請が届きます。

榊原記念病院開院式にて、武見太郎医師会長(当時)と小船井良夫副院長(当時)に当時最新の心電図テレメータシステムを説明中

慌ただしい医療現場で、「ICU・手術室の医療機器・検査機を揃えてください」という詳細な説明のない中、依頼者とのアイコンタクトで動くことができた森は、360度の視野で把握していた現場ニーズをもとに、自身が専門的に取り扱う医療機器に留まらず、ベッドや手術室のレイアウトまで、現場全体をコーディネート。

榊原 仟先生と先生を師事する先生との日々で培った、現場のプロとしての手腕が発揮されることとなります。

高度化する医療機器技術の時代に、メーカーと医師の通訳者としてジャストフィット。

榊原 仟先生の弟子、孫弟子やお世話になった方々が一同に会し榊原イズムを語りあう会

エムシー立ち上げからその後、エンジニア業務をベースに、当時代々木にあった榊原記念病院の医療機器メンテナンスなどを主軸として、森はそのビジネスを徐々に拡大させていきます。

日本に、高度化した医療機器が増えていく時代、業界に数多く存在した、既存の医療機器販売業者への依頼とは異なり、例えば、心臓のペースメーカーについて、メーカーに成り代わって技術の対応ができる医療機器のスペシャリストが求められるようになりました。

医療機器販売業が変化対応を求められる時代に、経験を活かして医師のニーズにジャストフィットしながら、社員を増員し、エムシーはビジネスの新しいカタチを形成、数多くの医療現場・医師の支援を励みに、現在に至りました。